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転ばぬ先の杖って・・


ご高齢の患者様が多いせいか、薬の数が合わなくなる、という声をよく耳にします。そこで私は考えます。 1回分を分包して、お渡しすることも可能だということを、患者様にお声かけするか、否か・・・。 95才で一人暮らしをする私の祖母も、いくつかの医院で処方された薬を間違えて服用しないよう、切ったり貼ったり工夫をして整理しています。年齢を重ねると共に、手は思うように動かなくなり、目も見えづらくなっているようです。その手でヒートから薬を取り出し、その目で確認し服用することが大変な作業であることは想像に難くありません。 薬は、処方された通り服用して初めて100%の薬効が得られるものですから、私の立場としては、正しく服用していただきたい。しかしながら「この青いヒートの薬が血圧の薬で、赤いヒートの薬が利尿剤よね。」と、ヒートの色で確認される患者様が多い中、ヒートからお出しして分包した状態でお渡ししたのでは、ご自身の病気と向かい合う大切な機会を奪ってしまうのではないか・・・。ご自身の体調に耳を傾けつつ、一錠一錠確認しながらの服用を阻んでしまってよいものかどうか・・・。 こんな事を考えつつ、日々の業務に励む毎日です。

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