お盆の仏教用語としての正式名称、盂蘭盆会は一説によるとサンスクリット語「ullambana(ウラムバナ)」を語源とし、手足を縛って逆さまに吊るすという意味から転じて、そのような苦しみに遭っている人の魂を救い、先祖や亡くなった人たちが苦しむことなく成仏してくれるようにと、子孫が報恩の供養をする機会を指すようになりました。
日本においては7世紀頃にはお盆の行事が行われていたことが分かっており、神仏習合による独自の変化を経て現在のスタイルに至っているようです。
かつて、霊魂に火を捧げることは供養になると考えられていたため、迎え火や送り火を焚いたり、線香を供えたりするようになりました。大文字焼きや、夏の花火もこれに由来しています。
盆踊りは帰ってきた先祖を盛大にもてなし、送り出す行事として生まれたものですし、夏に肝試しが多いのは、先祖の霊だけでなく、悪霊・怨霊なども一緒に戻ってくるからなのだそうです。
そう考えると夏の風物詩はお盆の伝統に由来するものがたくさんありますね。
現代においては家族や社会のあり方、住環境の変化などもあり、お盆の行事をいちから全て行うというのはなかなかハードルの高いことかもしれません。
ですが、お盆の数日が亡くなった人に思いを馳せたり、今生きる人に感謝を伝えたり、といった機会になれば、その本来の意味は達せられるのかもしれませんね。
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