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ラッコ

皆さんはラッコと聞いてどんなイメージを思い浮かべますか。モフモフ、かわいい、貝を手で器用に割る生き物等様々な印象があると思います。

ラッコの概要としては体長100 - 130センチメートル。しっぽの長さ25 - 37センチメートル。体重オス22 - 45キログラム、メス15 - 32キログラム。イタチ科最大種。尾は短く扁平。尾の基部には臭腺(肛門腺)を持たない。体毛密度が高く、哺乳類のなかでも最も高い部類に入る。1平方センチメートルあたり10万本以上の柔らかい下毛(綿毛)が密生し、これはヒトで言えば6cm2の皮膚に頭髪全てが生えているのに相当する密度である。全身では8億本もの体毛が生えている。潜水する時も綿毛の間に空気の層ができることで、寒冷な海洋でも生息することができるそうです。 では問題です。ラッコは全国の水族館で何匹見ることが出来るでしょうか。

答えは3頭です。三重県の鳥羽水族館に2頭、福岡県のマリンワールド海の中道に1頭飼育されています。

飼育頭数は1990年代に120頭を超えていましたが、30年で激減し、首都圏の水族館からは姿を消しました。

個体数が減少した原因は、毛皮目的の乱獲やワシントン条約で国際取引が厳しく規制されたことによるものです。米国からは98年、ロシアからは2003年を最後に輸入が途絶えました。2000年には国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定。2000年には88頭がいましたが、2011年に30頭、2017年に10頭と急速に減りました。首都圏では、18年にアクアワールド茨城県大洗水族館の個体が死に、姿を消しました。

国内での繁殖は成功例もありましたが、長く生きられない個体が多かったそうです。マリンワールド海の中道では、過去に計9頭の赤ちゃんが生まれましたが、6頭は数週間~1年ほどで死んでしまったそうです。継続的な繁殖は難しく、代を重ねるごとに繁殖能力が落ちる傾向にあるそうです。

国内に残る3頭は鳥羽水族館のメスの15歳のキラと18歳のメイ、マリンワールド海の中道のオスの16歳のリロです。飼育下では米国の水族館で28歳まで生きた記録もありますが、野生のラッコの寿命についてオスは10~15歳、メスは15~20歳と推定されています。国内の3頭は人間なら「高齢者」の域に達しつつあり、繁殖は極めて難しいそうです。

まだまだラッコの見られる水族館は全国にたくさんあっていつでも見られると思っていましたが国内のラッコがこんなに少なくなっていることに驚きました。

国内でラッコが見られる機会が少なくなってきているのでみなさんも機会があれば見に行ってみることをお勧めします。




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