先日机の引き出しの中を片付けていたら、4年余り前に亡くなった、以前勤務していた薬局の社長の訃報の葉書が出てきました。 大学を卒業して就職した薬局は調剤薬局の草分け的存在で、社長は某薬科大学の理事長を経験されていて、経営者というより根っからの薬剤師であり学者という印象でした。 そこで3年半基本から勉強させていただき、私は結婚のため退職しました。 嫁ぎ先が商売(貸衣装屋)をしていたので、薬剤師の仕事をせずに主人の実家の仕事を手伝っていたのですが、ある時社長から、甲府に行く用事があるから一緒に食事をしないかと声をかけていただいたことがありました。 久しぶりにお会いする社長ご夫妻でしたが、私はなんとなく薬剤師をしていない事に引け目を感じていました。そんな私の気持ちに気付いたのか、その時に社長に言われた忘れられない言葉があります。 『薬というのは医薬品だけじゃないんだ。衣装のシミを落とす薬、保管する薬、色々あるけどそれを知っているか?あなたは薬剤師なんだから自分の周りにある薬のことをちゃんと勉強しなくちゃいけないよ。』 薬剤師としての仕事はしていなくても、常に薬剤師であるという事を忘れずに薬のプロであり続けないといけない、と言われたと思いました。それが私の薬剤師としての原点だと思っています。 今はまた薬剤師として働いていますが、これからもずっと薬のプロでありたいと思います。
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