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血圧正常値

  • 執筆者の写真: Hirai Kenichi
    Hirai Kenichi
  • 2019年11月19日
  • 読了時間: 3分

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」が今年4月新たに提示されました。

診察室血圧120/80以下・家庭内血圧115/75以下を「正常血圧」として診察室血圧120~129/80以下を

「正常高値血圧」・診察室血圧130~139/80~89を「高値血圧」と分類されて、診察室血圧140/90を超えると高血圧と分類されています。

そして、「正常高値血圧」というのは、高血圧の一歩手前で、注意が必要なレベルという意味だそうです。

高血圧の方の治療目標も示されています。

75歳未満の成人は診察室血圧130/80以下、75歳以上は診察室血圧140/90以下を目標値と示されています。

勿論、厳密には既往歴・合併症により医師が判断して個別に治療目標は決められていると思います。

先日、高血圧症治療中の方が来局されたのですが、収縮期血圧160あると言うにも関わらず降圧剤が2種類から1種類に減っていました。

「何故?」と疑問に思い詳細をお伺いいたしました。

すると「先生と議論して減らしてもらった」とのことです。

知り合いと話をしてインターネットで調べたら、血圧は無闇に下げない方が良いと書いてあったそうです。

その方曰く「血圧が低いとガンにもなりやすい」そうです。

実は、その前日にも別の方から「血圧の正常値は本当はもっと高いはず」と言われました。「人間ドック学会では150までは正常だと言っているのに学会により異なるのはおかしいだろう」と言われました。

このお二人のお話を伺って、私も少し調べてみました。

確かに2014年4月に日本人間ドック学会で、収縮期血圧147㎜Hg、拡張期血圧94㎜Hg以下を「正常」と示されております。

この時には日本高血圧学会と日本人間ドック学会で考えが違っていたために医療関係者の中では混乱もあったかと思いました。

また、週刊誌などメディアでもいろいろ取り上げられ、そのことを今回の患者様も言われたのだと思いました。

人間ドック学会の理事の方の解説では、基準を緩和したわけではなく予防的見地から設定された予防的閾値で基準範囲は健康な人の実態ということだそうです。

その後2018年4月に人間ドック学会の基準が改訂されて129/84以下を「異常なし」の判定に変更されておりました。


他にも、医療関係者の方にはいろいろな考え方があり、血圧を下げると反って他の病気の発現率が上がると唱える医師も何人もいらっしゃいます。日本高血圧学会の血圧を下げる基準には根拠がないとまで言われている先生もいらっしゃいます。

どれが本当なのか、一薬剤師の私には判断しかねる内容ですが、収縮期血圧が130を超えると脳卒中や心筋梗塞などの高血圧性疾患になる可能性が急速に高まると言われているので、これから益々寒くなる季節は、やはり私は血圧を基準内に下げてコントロールすることは必要だと考えます。

兎に角、皆様には健康寿命を延ばして、元気に楽しく過ごして頂きたいと日々思いながら仕事をしております。


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