医療機関を受診される患者様の中には、ご高齢で、しかもお独りで暮らしている方もいらっしゃいます。お体の調子が悪くてなかなか外には出られないけども、医療機関には掛からなくてはいけないという思いで病院・薬局に掛かられている方もいらっしゃいます。 普段人と接する機会があまりない、ということもあるのかもしれませんが、薬局でお話をすることがとても好きな患者様もいらっしゃいます。何度か調剤をさせていただくうちにお互いに顔を覚えるようになり、さらに機会を重ねるうちに患者様のお顔を拝見しただけでどんなお薬をお飲みになっているかがパッと頭に浮かぶようになります。そうして患者様との距離が近づいていることを実感できると、仕事に対して非常にやりがいを感じることができます。 しかし、時には薬局を異動することによって、親しくなった患者様と離れなくてはならないこともあります。異動が決まると親しくなった患者様には、「今度自分は異動になってしまいますが、後任の薬剤師も優秀な人物なので今後もよろしくお願いします」など一言お伝えするようにしていました。ある患者様に異動する旨をお伝えした際には、「そうなのですね、いつも薬局で皆さんに会えるのを楽しみにしているのですよ。今まで親切にして下さってどうもありがとうございました。あなたのことはずっと忘れませんよ。」とお声を掛けてくださり、とても印象的でした。 私達薬剤師はたくさんの患者様とお会いしますが、患者様にとっては薬を渡してくれた薬剤師としか顔を合わせることがありません。お会いする患者様1人1人に丁寧で適切なお薬の説明をして信頼関係を築いていけるようにこれからも頑張りたいと思います。
