子どもの成長の過程では、イヤイヤ期と思春期の二度の反抗期があると言われています。小学校高学年から中学生時代にかけては、思春期の時期と重なる第二次反抗期と呼ばれます。私の息子も今、ちょうど反抗期で、私と距離を取るように部屋に一人でいたり、話しかけても短い返事しか返ってこなかったりします。
反抗期の長さは個人差があり、親や教師に対して反抗期な態度や、荒っぽい言葉を言ったりしますが、中には目立った反抗期の態度を示さない子もいます。
年頃になると、「ウザい」や、「うるせぇ、ばばぁ」などと言う子が多いですが、それも至って自然な事です。反対に、特別な態度の悪化もなく、反対に親を気遣ってくれる子もいます。
思春期は、身体だけでなく、心も急に成長して、大人へ近づくことに違和感を覚えたり、学校や友だち、先輩後輩関係で悩んだりもします。
誰もが通る時期ですが、どのように子どもは感じていて、親はどのように接すれば良いのでしょうか。
反抗期がないと心配?
反抗期だからといって、子どもが反抗的な態度を取らなくても、心配はいりません。
怒った態度を表に出さずに「あの人、怒ることってあるの?」と言われる人がいるように、全ての子どもが反抗的な態度を表に出して暴言を吐いたり、反発したりする訳ではありません。
しかし、思春期では少なからず、身体と心の成長にアンバランスさを感じたり、先輩後輩社会に足を踏み入れて、理不尽さを感じたり、大人社会を垣間見て、矛盾や不安、ストレスを感じているはずです。
子どもの揺れ動く心を理解して、例え、態度が反抗的でなくても、その時期では多少なりの「やり場のない思い」と戦っていることは理解してあげましょう。
ただし、裏表のある性格の場合は別です。自分よりも弱い立場の人の前では威張り、親の前では良い子にしている場合は要注意です。そのような事にならないように、日頃から子どもの変化に気を配りましょう。
アダルトチルドレンとは?
時々、アダルトチルドレンという言葉を耳にします。アダルトチルドレン(AC)は、大人になっても子どものままの人。と誤解されがちですが、そうではありません。
子どもの頃に受けた心の傷を、大人になっても癒せずに抱えている人のことです。
幼少期の養育環境が悪かったり、虐待を受けたり、不適切に育てられたことにより、大人になってもそのトラウマが消えずに、自分を否定的にとらえてしまい、人間関係などを上手く築くことが出来ません。
このアダルトチルドレンを作り出す原因は、虐待や親のアルコール依存症、毒親などの様々な原因がありますが、その子どもを作り出す家庭を「機能不全家族」と言います。
機能不全家族とは、夫婦や姑の仲が悪かったり、歪みあったりしている家庭のことです。本来ならば家庭は、家族のそれぞれの一員を尊重し合ったり、支え合ったり、尊敬しあいながら共に協力して、成長していくものです。その機能が働かない家族が、アダルトチルドレンを作り出してしまうのです。
否定されながら育つと、自分を大切にできなくなり、人間関係も信頼を持って築くことが困難です。生きることを楽しいと思えなくなってしまいます。
そんなアダルトチルドレンを作らないためにも、家庭は子どもにとって、安心できる居心地の良い場所でなければいけません。
子どもが育つには、十分に愛されて、ありのままを受け止めてもらえる場所が必要です。家庭で温もりが感じられるように、親の私達は、気をつけてあげましょう。
夫婦喧嘩ばかりしたり、子どもに愚痴の聞き役をさせてはいけません。思春期の子どもは、特に敏感に感じ取ります。その場を逃れる為に一時的に「いい子」を演じたり、逆に、親の問題から目を背ける為に「悪い子」を演じたりします。
思春期の時期だからといって、全てを子どもが原因だと考えるのではなく、もしかしたら気付かないうちに、機能不全家族になっていないか、もう一度見つめ直して下さい。
もし、少しでも思い当たることがあれば、機能不全のルールを改善して、健康なルールに置き換えて下さい。
反抗期がない心配よりも、家庭の心配を
そろそろ、お気づきですか?反抗期とは、その子の性格が大きく影響しますが、その子の置かれた家庭環境が関わっていると思います。
反抗期がない子は、「おおらか」、「明るい」などの性格があるかと思いますが、そもそもその子の性格を尊重して、適度な距離感を作ってあげられる家庭があれば、無理矢理に反抗する必要がないのかもしれません。
思春期の小学校高学年から中学生は、不安や緊張、ストレスを態度に出しても当たり前です。だから、反抗期があるのも当然。でも、なくてもそれはそれで心配は無いものです。
しかし、反抗期が全く無い場合、家庭で干渉し過ぎる親に対して「どうせ、何を言っても無駄だから」と無理に感情を押し殺させていませんか?
反抗期がない場合、本当に親との関係が良好で、既に適度な距離感が保てているのか、それとも支配したり、甘やかしているから「ない」ように見えるのか、今一度考えて下さい。
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