ノロウイルス感染による胃腸炎のため、薬局に来局される方が最近増えています。
ノロウイルスによる胃腸炎は特に冬場に流行するウイルス感染症で、嘔吐や下痢、腹痛、発熱などの症状が起こります。小さなお子様やお年寄りでは重症化することもあり、また吐物を気道に詰まらせて死亡する危険もあります。
現在、このウイルスに有効な抗ウイルス薬がないため、基本的な治療は出ている症状を緩和するような対症療法になります。脱水症状や体力の消耗に注意して水分や栄養の補給を十分に行うことが必要です。
ノロウイルスの感染経路は殆どが経口感染で、ヒトの手指などを介して口から体内に入ったウイルスが腸の中で増殖し感染します。感染力が非常に強く、10~100個のごく少量のウイルスでも感染を起こすと言われています。このため、学校や保育所、入所施設などでは集団感染が起こることがあります。
ノロウイルスには、感染症対策として一般的に使用される消毒用エタノールは有効ではありません。ウイルスを失活させるには次亜塩素酸ナトリウムや加熱が必要です。十分に加熱することで、食品からのウイルス感染を防ぐことができます。また、手指を介して感染することが多いため予防には手洗いが重要です。ノロウイルスは細菌よりも小さく、手指のしわの深くまで入り込むことがあるため、丁寧に手洗いをすることが必要です。
ノロウイルスに限らず、うがいや手洗いは感染症予防の基本です。外出先からの帰宅時や調理の前、食事の前、トイレの後など、日頃からこまめに行うように習慣付けましょう。
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