先日、病院と薬局と合同で色々なお薬を食品や飲み物などに混ぜて、味の飲み比べの勉強会を行いました。
一般的に知られていますように、ある種の抗生剤は、酸味のあるヨーグルトやりんごジュースなどに混ぜると
とても苦味が増して、まずくなりました。
また、ヨーグルトやスポーツドリンクなどに混ぜたお薬は、時間が経つほどに苦味が増すものもありました。
大人が飲んで苦いと感じる程では、とても子供が服用するのは困難です。
しかし、そのお薬の必要性を理解して、きちんと飲んでもらう事が重要です。
薬の味や、食品との配合変化を知っておくのも大切ですが、小児の味覚についても少し知識が必要かもしれません。
人には、味蕾という食べ物の味を感じる小さな器官が舌や軟口蓋にあります。
出生後の乳児の味蕾の数は成人の1.3倍と言われています。味蕾は、舌表面のみならず、軟口蓋、咽頭にも分布しています。また、乳児は塩味、酸味に対しては敏感です。
小児期の味覚は、5歳以降で嗜好性が形成されます。また、小児期の味覚体験が生涯にわたる食生活に影響するとも言われています。
甘味は小児の方が成人よりも閾値が低く、塩味は小児の方が成人よりも閾値が高いです。また、酸味は成人と小児では差がありません。
大人が試して感じる味と、実際に子供が飲んで感じる味は同じではないかもしれません。
お薬は、飲ませる、飲まされるではなく、味の好みや必要性を理解したうえで、一緒に楽しく使いましょう。
たとえ、その薬がまずくても、保護者の対応で頑張れるかもしれません。
飲みにくいお薬は、どうすれば上手く飲めるかは、私たちも日々、勉強しています。
お困りの事がありましたら、いつでもご相談下さい。

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