薬局には処方箋調剤のお薬はもちろん、市販のお薬(OTC医薬品)も置いてあります。またドラッグストアでは所せましと数え切れないほどの商品が並べてあります。忙しくて病院になかなか行けない時には、購入されて利用される方も多いかと思います。風邪を引いた時、胃が痛い時、頭の痛い時など皆様はどのような基準で選んでいらっしゃいますでしょうか? 「高血圧の薬を服用されている患者さまが市販の胃薬を求めて来局されました。注意すべき点を述べよ。」 これは私が3年ほど前に解いた現場薬剤師向けに出題された問題です。もし薬剤師さんがこれを見ていらっしゃいましたら、続きを見る前に少し考えてみてはいかがでしょうか。 血圧の薬と胃薬で飲み合わせはどのようなものがあるだろう?と考えられる方もいらっしゃるかと思いますが、この裏に隠されているものは胃薬の成分です。 一部の胃薬には、胃を攻撃する要因の一つである胃酸を中和する成分として「炭酸水素ナトリウム」が含まれております。高血圧患者さまの食事制限として食塩の摂取目安は6g/日以下と言われております。それは食塩に含まれるナトリウムが血圧を上げる因子の一つだからです。炭酸水素ナトリウムを食塩量に換算すると商品によっては、1.35g/日も含まれるものもあります。 その他に好ましくない「病気とお薬」の関係では、心不全には風邪薬の「マオウ」またはその主成分「エフェドリン」であったり、甲状腺機能不全にはうがい薬に含まれる「ポピドンヨード」といったものがあります。これはパッケージを見ただけではわからない注意点です。 最近でもさまざまな医療用医薬品がOTC医薬品にスイッチして販売されており、購入するのにはとても便利です。しかしより安心してお薬を飲んでいただきたいので、一言薬剤師にご相談いただければと思います。それと同時に是非「お薬手帳」を携帯していただきたいと思います。
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