病院や薬局でもらう薬の価格は厚生労働省が決めていて、日本全国どの薬局でも同一の価格です。
通常は2年に1度見直しが行われ、薬の効果や流通量を検討したうえで決められています。
他に類似した薬がなく、新しい効果の薬の場合は製薬会社の研究開発の資料などを基に検討され決められています。
最近、新しいがん治療薬「オプジーボ」の価格が半額に値下げされることが発表されニュースになりました。
この事は通常の2年に1度改定される(次回は2018年4月の予定)というルールから外れていてとても驚くべき決定でした。
薬を使用して費用を負担する患者さまの立場になってみますと、価格が安くなることは良いニュースだと思います。
一方、薬の開発には9年~17年という長い年月と多額の費用が費やされます。
製薬会社の立場で考えますと販売する薬の価格が適正でないと研究開発費用を回収できず、新しい薬の開発が出来なくなるという事態も考えられるわけです。
今回の異例の薬価格の値下げの決定はなぜ行われたのでしょうか。
それは高額な薬の価格が医療費の増大に拍車をかけて、保険制度の破たんを引き起こすかもしれないと心配されたからです。
私たちの利用している保険制度を持続していくために、厚生労働省は薬の価格についても様々な検討を行っているのです。
同時に製薬会社の新薬開発の意欲をそぐような改定にならないように期待したいと思います。
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