Vol.10お薬のことはかかりつけ薬局へ

<かかりつけ薬局が注目!?>
ken-1.jpg普段、体調が悪くなったときは、「かかりつけの病院」に行かれると思いますが、先生からお薬が処方されたときは「かかりつけの薬局」でお薬をもらっていますか?
あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、かかりつけの薬局を持つことは、とても大切で、生活環境が多様化している現代では、疾患や薬の種類を見ても昔に比べて数が増えていますので、薬を飲む時には、薬の専門家である薬剤師に確認してもらう必要性が高まっています。
<かかりつけ薬局とは?>
かかりつけ薬局とは、薬に関するあらゆる相談に応じ、情報提供して、患者さまのお薬に関する記録を包括的に管理する保険調剤薬局のことをいいます。「かかりつけ医」が普段の健康管理や万が一病気になった時の心強い味方だとすれば、かかりつけ薬局は薬の面から体調や健康の管理をサポートしていきます。
・お薬の記録
薬局では、患者さまごとに薬歴というものを作ります。薬歴とは、事前に患者さまの体質や副作用歴、一緒に飲んでいる薬と合わせて、処方せんによって調剤したお薬の内容を記録するものです。処方せんを受け付けた時や相談を受けた時などは、薬歴を確認することで、体に合わない薬で副作用が起こるのを未然に防いだり、市販薬も含めて、いくつかの薬を一緒に使われるときに適切なアドバイスをするのに役立てています。
・お薬のチェック
ken-2.jpg処方せん調剤時には、薬歴をもとに前回までの記録と見比べながら調剤しますので、同じ時期にいくつかの病院・医院にかかり、薬や処方せんをもらった場合、処方どおり調剤してよいかどうかをチェックすることもできます。別々の医師から処方された薬で成分が重なって薬が効きすぎたり、一緒に服用すると薬の作用が強められたり、副作用が出やすくなる場合などは、薬局の薬剤師が処方された医師に相談して、有効で安全な薬を調剤するように努力しています。
・情報提供
病院で処方された薬に関して、「ちょっと心配なこと」は意外と多いもので、医師に聞きそびれた疑問もかかりつけ薬局では気軽に質問できて、安心してお薬を飲むことが出来ます。また、病院でもらった薬だけでなく、ドラックストアなどで一般に販売されている市販薬に関する情報提供や、患者さまの健康に関する情報提供も受けられます。市販薬や健康食品、サプリメントなどと病院からもらった薬との飲み合わせの相談なども気軽にできますので、薬をもらう際には声を掛けてみてください。
・街の薬局
かかりつけ薬局のメリットとしてあげられるものに、立地もあります。遠くの病院でもらった処方せんでも、近くのかかりつけ薬局に持っていけば、快く薬を調剤してくれますし、初めての場所などでは、また最初から体質や飲んでいる薬の説明などをしなければなりませんが、かかりつけ薬局では、管理している記録がありますので、それを見ながら調剤をしていきます。
また、お住まいの近くであれば、一旦薬局に処方せんを預け、調剤を待っている間に買い物に行ったり、一度家に帰ることもできます。お年寄りや患者さまの体調がすぐれない時には、ご家族の方が代わりに処方せんを薬局にお持ちになったり、お薬を取りに来ていただくこともできます。
★かかりつけ薬局を利用する際に忘れてはいけないのが、お薬手帳です。もし、他の病院でもらった薬などがあれば、お薬手帳に記載されていますので、その情報も調剤の際には非常に大切な情報となります!!
<ご存じですか?医薬分業>
ken-3.jpgかかりつけつけ薬局について見てきたところで、次は医薬分業という観点からもう少し詳しく薬局についてお話していきます。今まで、みなさんが病院や医院で診察を受けた際は、お薬を病院の中でもらうのが普通でした。でも最近では、これに代わり「院外処方せん」を先生に書いていただいて「保険調剤薬局」でお薬を調剤してもらうことが多くなりました。この制度のことを「医薬分業」といいます。医師と薬剤師という専門家が、それぞれの立場から処方についてチェックを行い、お薬の効き目や安全性をより一層高めてより良い医療を提供することを目的としています。
<医薬分業はいつから?>
医薬分業は、世界の先進国ではほとんどの国が実施している制度で長い歴史を持っています。起源は、12世紀ローマの帝国の王が、主治医が自分を裏切って毒殺されることを恐れ、薬のチェックを別の人に行わせたことが始まりとされていて、それ以来薬剤師は、医師の処方をチェックする「薬の番人」として機能するようになりました。
日本の医薬分業制度は、昭和30年に「医師法、歯科医師法、薬剤師法の一部を改正する法律」が施行されたことにより、法律上で制度化されました。日本では、昔から医師のことを薬師(くすし)と言ったように、医師が診察と投薬することが習慣として定着していたので、医薬分業はなかなか進みませんでした。近年は、医療の高度化とともに機能分化が進み、その時代の流れとともに、医薬分業は急速に普及しています。
<医薬分業の目的>
医薬分業制度には大きく分けて3つの目的があり、かかりつけ薬局の大切さについても触れられています。
・より良い質の高い医療サービスの提供
現在、病気などの治療方法としては、医薬品を使用して治療するケース(薬物療法)が多いため、自分の受けている薬物療法について正確かつ適切な説明を聞くことが出来ます。また、患者さまがかかりつけ薬局を持つことにより、薬局では薬歴簿などでお薬の服用歴を一元管理できるので、事前に安全な処方が確認できて、安心してお薬を服用することができます。医療の専門家である医者と、医薬品の専門家である薬剤師が処方を二重でチェックすることにより、医薬品の効果と安全性をさらに高め、より良い医療サービスを提供することが出来ます。
・高齢社会に向けて安全な医薬品使用
ken-4.jpg今後もますます高齢化が進んでいくことが予想されますが、年齢を重ねていきますと、様々な病気やケガになる可能性が高くなってきます。病気を併発すると、複数の病院や診療科を受診することになり、処方される薬の種類も多くなってきますので、場合によっては、処方薬の掛け合わせや量によって、副作用などの薬害が発生することも十分考えられます。しかし、かかりつけの薬局を持つことにより、薬歴簿による薬歴の管理をしてもらえば、このような問題を事前に防ぐことが可能になります。
・医療費を適正化
一般的には、医薬品の費用が医療費のうちで一番多くかかります。従来の制度ですと、患者さまに対して薬の過剰投与や重複投与など、必要以上に薬を処方されることもあり、医療費も同様に必要以上に出費される可能性がありました。これによって国の医療費も増加し、財政が圧迫される問題も起こります。国や患者さまにとって負担になることは良いことではありません。医薬分業を推進することにより、薬の過剰投与や副作用などの問題も未然に防止され、その結果、医療費を適正化することが期待できます。
<患者さまにとっての利点>
医薬分業という制度は、処方と調剤という、医師と薬剤師がそれぞれの立場から職能を発揮し、力を合わせることにより、お薬の効果や安全性を高め、患者さまの病気やケガを治していこうというものです。
・お薬の十分な説明
薬局に勤務する薬剤師には、処方された薬の名前、用法・用量、効能・効果、副作用のほか、食事、飲み物を取る上での注意、保管や服用上特に留意すべき点などを説明する義務があります。診察を受けた医師にお薬のことを聞くのは気が引けるという方も中にはいらっしゃいますが、不明な点を尋ねれば、薬の専門家である薬剤師が、丁寧にお薬の説明と服薬指導を行いますので、納得してお薬を飲むことが出来ます。また、最近は、休日や夜中でも、お薬について相談できる薬局も増えてきています。
・副作用の防止
薬局の窓口でお薬を渡す際、副作用の起きる危険性や頻度、その兆候を説明することによって、副作用の発現を早期に発見したり、発生頻度を下げることが出来ます。副作用の防止に役立つのが、かかりつけの薬局を持つことです。患者さまの体質やお薬の服用歴、今までの服薬指導歴などを薬歴に記録してありますので、それを事前に確認し、患者さまにお薬の説明をしますので、副作用に対する注意も患者さまに添ったアドバイスができるようになります。
・重複投与、調剤ミスの減少
ken-5.jpg薬を取り扱う専門家である薬剤師が調剤に従事することで、調剤ミスをする可能性が低くなることは十分考えられます。調剤したお薬をさらに別の薬剤師が確認するダブルチェックを行う薬局がほとんどで、お薬をお渡しする際に再度、患者さまにも確認していただきます。また、上記のようにかかりつけ薬局で薬歴をしっかりと管理している場合は、同じ効果の成分を持つお薬を同時に飲んでしまうような重複投与を見つけやすくなります。
・処方ミスの減少
医師の処方ミスはあってはなりませんが、人の行うことですので、それを無くすことは不可能であり、それをできるだけ減らし、被害を最小限にすることが肝要です。そのために、医師の処方を薬剤師がダブルチェックすることは有用だと考えられています。
・待ち時間の減少
病院や診療所で薬が出来るのを待つことなく、自分の選んだ薬局で自分の都合のいい時間にお薬をもらうことが出来ます。職場の近くにかかりつけ薬局を持っていれば、お昼休みに処方せんを出して、会社帰りに寄ってお薬をもらうこともできます。また、お薬を取りに行くのが難しい方は、医師の指示により、薬局から薬剤師がお薬を持って、自宅に訪問する制度などが利用できます。
<院外処方せんとは?>
薬局でお薬を調剤してもらう際に、必要なのが院外処方せんです。医師や歯科医師が診察をして、治療にお薬が必要と判断されると、薬の名前や分量、使い方などを記入し、患者さまに発行します。患者さまは処方せんを受け取った後、病院の近くの薬局やかかりつけ薬局に持って行って調剤してもらいますが、実は処方せんには有効期限があり、健康保険法によって、原則として、処方せんが発行された日から4日以内と定められています。案外この有効期限のことを知らない方がいますので、気をつけてください。ただ、旅行など有効期限内にどうしても薬局に行けない事情がある場合は医師に伝えて、期限を延ばす旨の記載をしてもらうこともできます。それ以外は、必ず有効期限内に薬局でお薬を受け取ってください。
<かかりつけ薬局だからこそ>
お薬に関する生活の変化なども、遠慮なく相談してみてください。例えば、最近、お薬の種類が増えて飲み忘れや、飲み間違いがあるという方には、一包化という服用時ごとにお薬をまとめて小袋に包んだものを飲むように提案したりできます。些細なことでも、ぜひご相談ください。

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