Vol.9世界糖尿病デー(糖尿病について)

cya.png世界中の著名な建物が、一様に青く光る姿を見たことはありますか?11月14日は「世界糖尿病デー」です。
 2006年末、国連では「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」を加盟192ヶ国の全会一致で可決し、糖尿病の治療にも使われるインスリンを発見したバンティング博士の誕生日である11月14日を世界糖尿病デーに指定いたしました。空の色でもあり国連の旗の色でもある青(ブルー)をシンボルカラーとし、世界中でライトアップすることで団結の輪(サークル)を結ぶことで、糖尿病の治療と予防を広く呼びかけるキャンペーンが展開されています。そのシンボルマークを「ブルーサークル」と呼びます。
 成人における世界の糖尿病人口は2011年約3億6600万人に上り、成人人口の約8.3%が糖尿病とみられています。今後も増え続け、2030年には約5億5200万人、約9.9%に達するとの統計が出されています。我が国でも2011年で約1067万人、成人人口の約11.2%を占めており、有病率は世界をも上回っています。糖尿病の恐ろしいところは重症化するまでほとんど自覚症状がなく、気づいたときには合併症が進行している点です。適正な知識を得て、定期健診や生活習慣の改善から発症しないよう、早期対策を行う必要があります。
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<糖尿病の定義>
 血液中のブドウ糖濃度(血糖値)は、様々なホルモンの働きによって常に一定範囲内に調節されています。様々な理由によってこの調節機構が破綻し、血液中の糖分が利用されず、異常に高くなっている状態を指します。その中でも特に「インスリン」と呼ばれるホルモンの作用が低下していることが多くの要因です。
 血糖値の高い状態が続くと、体中の微小血管が徐々に破壊されていき、目や腎臓を含む体中の様々な臓器に重大な傷害を及ぼす可能性があります。糖尿病治療の主な目的は合併症を防ぐことが重要です。

<インスリンとは>
 膵臓から分泌されるホルモンです。筋肉や脂肪組織、肝臓などに血液中の糖分を取り込み、利用されたり貯蔵されたりすることで、血糖値を下げます。24時間一定量出続けている「基礎分泌」と、食事により血糖値が上昇することで、急速に分泌される「追加分泌」があります。健康な人の場合は、血糖値に応じてインスリンが分泌され血糖値をうまくコントロールしています。糖尿病患者では、インスリンがうまく働いていないか分泌量が低下しているため血糖値が高くなります。

<糖尿病の種類>
・1型糖尿病
 体の中にあるインスリンを分泌する細胞がなんらかの理由で破壊され、インスリンが分泌されなくなります。原因は不明で、いくつかの遺伝子と環境要因が複雑に重なり発症すると言われています。
・2型糖尿病
 遺伝的背景や過食、運動不足による肥満など様々な要因でインスリンの分泌が低下や、インスリンの働きが悪くなることで発症します。糖尿病と診断される人の約95%がこの2型糖尿病です。
 その他にも、妊娠中に増加するホルモンが原因で高血糖になる「妊娠糖尿病」や、他の疾患や薬物により引き起こされる「続発性糖尿病(二次性糖尿病)」などがあります。

<糖尿病の合併症>
 血糖値が高い状態が続くことで血管壁は傷つきもろくなり、血液がドロドロになることで毛細血管が詰まります。この状態が続くことで合併症を引き起こします。合併症の中でも、顕著に表れなお且つ重大な3つの合併症を「糖尿病三大合併症」と呼び、以下にご紹介いたします。
糖尿病性網膜症
 目の奥には多くの毛細血管が張り巡らされています。血管内が詰まったり、固まったりしやすくなることで、血管壁に負担がかかり出血します。また血液の流れが悪く神経への栄養が十分いかず、弱く新しい血管が作られ簡単に破裂や出血をしてしまうため、網膜剥離(網膜がはがれてしまうこと)が起きます。これらを総称して網膜症と呼びます。中途失明原因としては、緑内障に次いで2位に位置しています。
糖尿病性腎症
 腎臓は血液をろ過してきれいにする機能があります。高血糖状態でさらされることで腎機能が低下し、体内の老廃物、不要なたんぱく質や塩分が体内に残ります。尿量が減少することでむくみも起きます。進行すると体内の老廃物を人工的に浄化する「透析」が週に3回、1回にかかる時間が4時間ほどの物理的な治療が必要となります。
糖尿病性神経障害
 全身に広がっている末梢神経には感覚神経と自律神経があり、糖尿病により障害を受けます。手先足先にしびれを感じることや痛みを感じにくくなることで、怪我した時に気付かず、手当てが遅れるという危険が増します。自律神経障害では、下痢便秘を繰り返す、発汗、排尿障害、起立性低血圧などを起こします。

<生活習慣の改善>
 糖尿病の治療や予防において薬物療法は血糖値をできるだけ正常な範囲にコントロールするで、高血糖状態の暴露から解放し血管や神経、臓器の保護が目的です。しかし、何よりも運動や食事の生活習慣を改善することがとても重要です。
・食事療法
 1日3回の食事を偏りなく食べることが大切です。また1日の適正な摂取エネルギーを守りつつ、「食品交換表」などを 利用して栄養バランスのとれた食事内容にする必要もあります。脂質、糖質、たんぱく質の三大栄養素だけではなく、これらの働きをスムーズにするために、ビタミンやミネラルも忘れてならない品目です。
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・運動療法
 運動することでインスリンの効きが良くなったり、筋肉で脂質や糖分が利用されることで血糖値や中性脂肪を下げたり、基礎代謝を上げることができます。状態や体力に合わせたものを行うことが大切で、負荷をかけ過ぎては危険で続けていくことも難しくなります。いきなり毎日が無理でも1日おき程度で続けられる手軽な運動が有効です。現在通院治療中である場合はかならず医師と相談してから行うようにしてください。
 過度の食事制限や、薬物治療中においてはその時の体調や状況で血糖値が下がり過ぎ「低血糖」を生じることがあります。イライラ、あくびから始まり、冷や汗やふらつき、ふるえ、さらに進行すると昏睡となることもあります。低血糖は起こさないことが何よりではあるのですが、いち早く初期症状に気付き、ブドウ糖など適応する甘いものを摂取する必要があるため、自分自身の低血糖状態を知ることも大切です。

 糖尿病は完治させる病気ではなく、如何に血糖値を上手くコントロールしていくかという病気です。症状を悪化させない、糖尿病を発症しないためには、自分自身の意志と自己管理が大切です。最悪の場合では、失明、腎不全により透析、手足の壊疽という恐れがあります。しかし、自分自身の体であることを常に考え、生活習慣の見直しを怠らないようにしましょう。そして、定期的な健康診断を受け、自分の体を知ることが何よりも大切です。



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